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車が水没したら?ヘッドレストを使った脱出方法とは?

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近年、異常気象による豪雨や洪水が増加しており、車の水没事故のリスクが高まっています。もし車が水没してしまった場合、パニックに陥らず冷静に対処することが生死を分ける重要な要素となります。本記事では、車が水没した際の効果的な脱出方法、特にヘッドレストを使った脱出技術について詳しく解説します。これらの知識を身につけることで、万が一の事態に備え、自身や同乗者の命を守ることができるでしょう。

目次

車の水没:基本的な知識

水没の定義と危険性

車の水没とは、車体の一部または全体が水中に沈んでしまう状態を指します。水没は、豪雨による道路の冠水やアンダーパスでの立ち往生、川や海への転落など、様々な状況で発生する可能性があります。水没した車は、水圧によってドアが開かなくなり、電気系統の故障によってパワーウィンドウが作動しなくなるなど、脱出が困難になる危険性があります。

水没が起こりやすい状況

水没事故は、以下のような状況で起こりやすくなります:

  1. 豪雨時の冠水した道路の走行
  2. アンダーパスや低地の通過
  3. 河川の増水時の橋の通行
  4. 海岸沿いの道路の走行

これらの状況では、特に注意が必要です。気象情報や道路状況を常に確認し、危険と思われる場所への進入を避けることが重要です。

水没時に車内で起こる現象

車が水没すると、以下のような現象が起こります:

  1. 水圧の増加:水深が増すにつれて、ドアにかかる水圧が強くなり、開けることが困難になります。
  2. 電気系統の故障:水の侵入により、電気系統がショートし、パワーウィンドウやセントラルロックが作動しなくなる可能性があります。
  3. 浮力と沈下:車は最初、空気が内部にあるため浮きますが、徐々に水が侵入し、沈んでいきます。

これらの現象を理解し、素早く適切な行動をとることが脱出の鍵となります。

ヘッドレストを使った脱出方法の概要

ヘッドレストの構造と脱出ツールとしての可能性

ヘッドレストは、通常、乗員の頭部を支えるための安全装置ですが、その構造が脱出ツールとして活用できます。多くのヘッドレストは、2本の金属製の棒がシートに差し込まれており、この棒が窓ガラスを割るのに適しています。

ヘッドレスト法のメリット

ヘッドレストを使用した脱出方法には、以下のようなメリットがあります:

  1. 常に車内にある:特別な脱出用具を準備する必要がありません。
  2. 取り外しが比較的容易:多くの車種で、ボタンを押すだけで取り外せます。
  3. 力が少なくても効果的:テコの原理を利用するため、女性や高齢者でも使用可能です。

これらのメリットにより、ヘッドレスト法は水没時の有効な脱出手段となります。

ヘッドレストを使った脱出の手順

ステップ1:シートベルトを外す

まず、シートベルトを外すことが重要です。パニック状態では簡単な動作も困難になる可能性があるため、できるだけ早く外しておきましょう。水中でもシートベルトは外せますが、水を含んだ服が邪魔をしてボタンに絡まる可能性もあります。

ステップ2:ヘッドレストを取り外す

次に、ヘッドレストを取り外します。多くの車種では、ヘッドレストの支柱部分にあるボタンを押しながら上に引き抜くことで取り外せます。座席を倒す必要がある場合もあります。事前に自分の車でのヘッドレストの取り外し方を確認しておくことが大切です。

ステップ3:窓ガラスを割る準備

ヘッドレストを取り外したら、窓ガラスを割る準備をします。窓ガラスは強化ガラスで作られており、中心部を叩いても割れにくいため、窓の端や角を狙うことが効果的です。また、サイドウィンドウを狙うことが重要です。フロントガラスは合わせガラスで作られており、ヘッドレストでは割ることが困難です。

ステップ4:ヘッドレストで窓ガラスを割る技術

ヘッドレストで窓ガラスを割る際は、以下の手順を踏みます:

  1. ヘッドレストの金属棒を窓ガラスとドアの隙間に差し込みます。
  2. 金属棒を奥まで押し込み、てこの原理を利用します。
  3. ヘッドレストを手前に引き、窓ガラスに圧力をかけます。

この方法を使うことで、比較的少ない力で窓ガラスを割ることができます。

ステップ5:安全な脱出

窓ガラスが割れたら、速やかに脱出します。ガラスの破片で怪我をしないよう注意が必要です。ヘッドレストの金属棒を窓枠に沿わせてガラスを押し出すことで、破片を取り除くことができます。水流が強い場合は、車の屋根をつたって移動し、安全な場所へ避難します。

ヘッドレスト法の注意点と限界

全ての車種で有効とは限らない

ヘッドレスト法は多くの車種で有効ですが、全ての車で使えるわけではありません。一部の車種では、ヘッドレストが取り外しできない設計になっていたり、ヘッドレストの棒が窓の隙間に入らない場合があります。自分の車でこの方法が使えるかどうか、事前に確認しておくことが重要です。

合わせガラスには効果がない

フロントガラスや一部の高級車のサイドウィンドウには合わせガラスが使用されています。合わせガラスは2枚のガラスの間に樹脂フィルムを挟んだ構造になっており、ヘッドレストでは割ることが困難です。このため、脱出にはサイドウィンドウを狙うことが重要です。

力の入れ方と角度の重要性

ヘッドレストで窓ガラスを割る際は、力の入れ方と角度が重要です。単に叩くだけでは割れません。窓ガラスとドアの隙間にヘッドレストの棒を差し込み、てこの原理を利用することが効果的です。また、窓の角や端を狙うことで、より少ない力で割ることができます。

ターが停止して移動できなくなるおそれがあります。そして恐ろしいことに、水深がドアの高さの半分を超えると、ドアを内側から開けることがほぼ不可能になります。

想像しただけでもゾッとしてしまいますね。しかし、転ばぬ先の杖! 備えあれば憂いなし! 万が一、自分が運転するクルマが水没してしまってもパニックに陥らないよう、車内からの脱出方法についてご紹介したいと思います。

水没した車両からの脱出方法とは?

車両が水没した際には、以下の手順に沿って、速やかに車両から脱出してください。

ステップ1: 水位が低いうちにドアを開けて脱出する

水没に気づいたら、まず落ち着いてシートベルトを外します。水位がまだ低い段階であれば、ドアを開けて脱出することができます。ただし、水の流れが速い場合は注意が必要です。

ステップ2: 水圧でドアが開かない場合は、窓を開いて脱出する

水位が上がってドアが開かなくなった場合、次に試すのは窓からの脱出です。パワーウィンドウが作動しなくなる前に、速やかに窓を開けましょう。窓から脱出する際は、背中側から出ると車体につかまりやすく、脱出しやすくなります。

ステップ3: ドアも窓が開かない場合は、脱出用ハンマーで窓を破砕し脱出する

電気系統が故障してパワーウィンドウが動かなくなった場合、脱出用ハンマーを使用して窓ガラスを割る必要があります。ただし、フロントガラスや一部の高級車のサイドウィンドウには合わせガラスが使用されており、ハンマーでは割れないので注意が必要です。

ステップ4: 車内外の水位が同じになるまで待つ

上記の方法でも脱出できない場合、最後の手段として車内に水が入り、車内外の水位が同じになるのを待ちます。この状態になると、ドアにかかる水圧が均衡し、ドアを開けられる可能性が高まります。車内の空気が少なくなってきたら、大きく深呼吸をして、力を込めてドアを押し開けましょう。

脱出用ハンマーは必須アイテム

クルマの窓ガラスは、走行中の安全性確保のため、十分な強度を有しており、専用の道具を使わず破砕することは困難です。自動車の窓ガラスを破砕する専用の道具である「脱出用ハンマー」は、カー用品店やホームセンターなどで3,000円程度で入手することができます。まさかの時のための”命綱”として、1台に1本、備えておきましょう。

脱出用ハンマーには、いくつかの種類があります。主に以下の3タイプがあります:

  1. 棒状タイプ: 握りやすく、力を入れやすい形状です。
  2. ハンマー型: 従来のハンマーに似た形状で、使い方が直感的です。
  3. キーホルダー型: 小型で携帯しやすく、普段から持ち歩くことができます。

自分で扱いやすいものを選び、運転席からすぐに手が届く場所に固定しておくことが重要です。

水没車の処理と保険の適用

水没した車を無理に動かそうとすると、さらなる損傷を招く可能性があります。以下の手順で適切に対処しましょう。

  1. レッカー車の手配: JAFなどのロードサービスに連絡し、レッカー車を手配します。
  2. ディーラーや整備工場への搬送: 水没車を専門家に診てもらうため、ディーラーや整備工場に搬送します。
  3. 保険会社への連絡: 加入している自動車保険会社に連絡し、補償の適用可否を確認します。
  4. 修理か買い替えかの判断: 水没の程度や修理費用を考慮し、修理して乗り続けるか買い替えるかを決定します。

水没車の修理費用は、水没の程度によって大きく異なります。タイヤの下半分程度の水没であれば、比較的安価に修理できる可能性がありますが、エンジンルームまで水が入った場合は高額な修理費用が必要になる場合があります。

車両保険に加入している場合、自然災害による水没は補償の対象となることが多いです。ただし、地震による津波の場合は別途特約が必要な場合があるので、事前に確認しておくことをおすすめします。

水没を防ぐための予防策

水没事故を未然に防ぐため、以下の点に注意しましょう:

  1. 気象情報の確認: 大雨や台風の予報がある場合は、不要不急の外出を控えましょう。
  2. 冠水しやすい場所の把握: 普段から地域の冠水しやすい場所を把握し、そのような場所への進入を避けましょう。
  3. 適切な判断: 道路が冠水している場合、無理に進入せず、迂回路を探すか引き返すことが賢明です。
  4. 車の定期点検: 排水系統や電気系統の点検を定期的に行い、水没時のリスクを軽減しましょう。
  5. 緊急脱出用具の準備: 脱出用ハンマーやシートベルトカッターなどを車内に常備しましょう。

まとめ

水没は予期せぬ事態で起こりうるものです。しかし、適切な知識と準備があれば、危険な状況から身を守ることができます。本記事で紹介した脱出方法や対処法を覚えておき、万が一の事態に備えましょう。また、日頃から気象情報に注意を払い、危険な状況を回避することが最も重要です。安全運転を心がけ、水没のリスクを最小限に抑えましょう。

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