車のエンブレムを外すという行為は、カスタマイズの一環として近年注目を集めています。「エンブレムレス」と呼ばれるこのスタイルは、シンプルでスタイリッシュな外観を求める方に人気です。しかし、「エンブレムを外すとダサく見えるのでは?」「査定に影響するのでは?」といった疑問や不安を持つ方も多いでしょう。
この記事では、車のエンブレムを外す理由から具体的な方法、そして査定への影響まで詳しく解説します。エンブレムを外すことのメリット・デメリットを理解し、あなたの愛車に最適な選択ができるようになりましょう。
車のエンブレムを外す理由とは
車のエンブレムは、メーカーのブランドイメージや車種の個性を表す重要な要素です。しかし、あえてこれを外す人が増えています。なぜエンブレムを外すのでしょうか?主な理由をいくつか見ていきましょう。
シンプルな外観を求めて
多くの方がエンブレムを外す最大の理由は、車の外観をよりシンプルに、スタイリッシュに見せたいという美的感覚からです。エンブレムは通常、フロントやリアのボディ中央に配置されており、かなりの存在感があります。
「エンブレムは車のムダ毛」と表現する方もいるほどで、これを取り除くことでボディラインそのものの美しさが際立ちます。特に洗車やワックスがけをする際、エンブレムの隙間に汚れや白い跡が残りやすいという実用的な理由もあります。
エンブレムを外すと、車全体がクリーンでスッキリとした印象になり、独自のスタイルを演出できるのです。
個性的なスタイルを演出
車好きの間では、エンブレムを外すことが一種のカスタマイズとして認識されています。特に海外では一般的な手法で、オリジナリティを出したい方に人気です。
また、国産車の中には「H」や「S」といったシンプルすぎるエンブレムを採用しているメーカーもあり、デザイン的に物足りなさを感じる方もいます。自分の美的センスに合わないと感じるエンブレムを外すことで、より自分好みの車に近づけることができるのです。
グレードを目立たせない工夫
同じ車種でも、ベースグレードからハイグレードまで様々なモデルがあり、それぞれ異なるエンブレムが装着されています。特にベースグレードの場合、あえてそれを主張するエンブレムを付ける必要性を感じない方も多いです。
逆に、ハイグレードの車を所有している場合でも、「このグレードの車に乗っています」と主張したくないという謙虚な気持ちから、エンブレムを外す方もいます。グレードによる見た目の差を減らし、車そのものの魅力を楽しみたいという考え方です。
盗難対策として
意外かもしれませんが、エンブレムを外す理由として盗難対策も挙げられます。特に高級車のエンブレムは、チタンや七宝焼きなどの高価な素材で作られていることがあり、コレクターズアイテムとして狙われることがあります。
アジアの一部地域では、エンブレムの盗難防止のためにリベットなどで固定する場合もあるほどです。大切な愛車を守るために、あらかじめエンブレムを外して安全に保管しておくという選択肢もあるのです。
エンブレムを外すメリットとデメリット
エンブレムを外すことには様々なメリットとデメリットがあります。自分の車に適した選択をするために、両面から検討してみましょう。
メリット:洗練された印象に
エンブレムを外すと、車のボディラインがスッキリと見え、より洗練された印象を与えることができます。特に黒や白などのシンプルな色の車では、その効果が顕著です。
また、洗車の際にエンブレムの周りに汚れや洗剤が残りにくくなるため、メンテナンスが楽になるという実用的なメリットもあります。ワックスがけの際も、エンブレムの隙間に白い跡が残る心配がなくなります。
さらに、自分だけのオリジナルスタイルを作り出せるという満足感も大きなメリットです。街中で同じ車を見かけても、エンブレムレスにすることで一目で自分の車だと分かる個性を出せます。
デメリット:査定額への影響
エンブレムを外すことの最大のデメリットは、車を売却する際の査定額に影響する可能性があることです。特に高級車や新車に近い状態の車では、オリジナルの状態が保たれていることが重視されるため、エンブレムの欠如は減点対象となることがあります。
また、エンブレムを外した跡が残っていると、修復が必要と判断され、さらに査定額が下がる可能性もあります。エンブレムを外す際は、将来の売却も考慮に入れて慎重に判断することが大切です。
エンブレムを外す方法
エンブレムを外す方法は、エンブレムの固定方法によって異なります。主に「両面テープタイプ」と「ピン留めタイプ」の2種類があります。それぞれの外し方を詳しく見ていきましょう。
両面テープタイプの場合
多くのエンブレムは両面テープのみで固定されています。このタイプのエンブレムを外す手順は以下の通りです。
まず、作業に必要な道具を準備しましょう。
必要な道具 | 用途 |
---|---|
ドライヤー | 両面テープを温めて柔らかくするため |
釣り糸・テグス | 両面テープを切るため |
マスキングテープ | 塗装面の保護と位置決めのため |
革手袋・軍手 | 指を保護するため |
シリコンオフ | 残った両面テープを除去するため |
ウエス | 拭き取りに使用 |
ワックス | 作業後の仕上げに使用 |
次に、具体的な手順を説明します。
エンブレム周辺にマスキングテープを貼ります。これは塗装面を保護するためと、後で元に戻す際の位置決めのためです。
ドライヤーでエンブレムを温めます。両面テープが柔らかくなり、剥がしやすくなります。夏の暑い日なら、太陽の熱で十分温まっていることもあります。
釣り糸をエンブレムとボディの間に滑り込ませ、糸鋸のように左右に動かしながら両面テープを切っていきます。この時、金属製の工具は絶対に使わないでください。塗装に傷がつく恐れがあります。
エンブレムが外れたら、残った両面テープをシリコンオフなどで丁寧に除去します。この際、縦方向ではなく横方向に拭くと、万が一傷がついても目立ちにくくなります。
最後に、ワックスで仕上げれば完成です。
ピン留めタイプの場合
一部のエンブレム、特に大きなものはピンと両面テープの組み合わせで固定されています。このタイプは少し手間がかかりますが、以下の手順で外すことができます。
まず両面テープタイプと同様に、マスキングテープで周囲を保護し、ドライヤーでエンブレムを温めます。
釣り糸を使って両面テープ部分を切っていきますが、ピンに当たると進まなくなります。その場合は、別の角度から再度アプローチします。
ピンが車体の裏側まで貫通している場合は、可能であればボンネットやトランクを開け、裏側からピンを外します。
裏側にアクセスできない場合は、ピンを切断する必要があります。細いカッターなどを使って慎重に切り、エンブレムを取り外します。
ピン穴が残った場合は、カー用品店で販売されているパテやファッションリベットなどで穴を塞ぎます。放置すると雨水が侵入し、錆や故障の原因になることがあります。
エンブレムを外した後の注意点
エンブレムを外した後は、いくつかの点に注意する必要があります。適切なケアを行うことで、車体を美しく保ち、将来的な問題を防ぐことができます。
車体への傷を防ぐ
エンブレムを外した後、車体に残った両面テープや接着剤をしっかり除去することが重要です。放置すると汚れが付着しやすくなり、見た目が悪くなります。
シリコンオフなどの専用クリーナーを使用して丁寧に拭き取りましょう。この際、強くこすりすぎると塗装に細かい傷がつく恐れがあるので注意が必要です。横方向に拭くと、万が一傷がついても新しいエンブレムを付ける際に隠れやすくなります。
また、ピン穴が残った場合は必ず適切に処理しましょう。放置すると雨水が侵入し、内部の錆や電装系のトラブルの原因となることがあります。
元に戻せるよう保管する
将来的に車を売却する可能性を考え、外したエンブレムは捨てずに大切に保管しておくことをおすすめします。元の状態に戻せることで、査定時のマイナス評価を避けることができます。
エンブレムを保管する際は、傷がつかないように柔らかい布で包むなどの配慮をしましょう。また、どの位置に付いていたかを記録しておくと、再装着する際に便利です。最初に貼ったマスキングテープの位置を写真に撮っておくのも良い方法です。
エンブレムを外すと査定はどうなる?
車のエンブレムを外すことが査定にどのような影響を与えるのか、気になる方も多いでしょう。実際の影響と対策方法を見ていきましょう。
一般的な査定への影響
基本的に、車の査定ではオリジナルの状態が保たれていることが高く評価されます。そのため、エンブレムを外した状態では、査定額が下がる可能性があります。
特に高級車や比較的新しい車では、オリジナル性が重視されるため、エンブレムの欠如は大きなマイナスポイントとなることがあります。また、エンブレムを外した跡が残っていると、「修復が必要」と判断され、さらに査定額が下がる恐れもあります。
ただし、査定への影響は車種や買取業者によって異なります。中古車市場で人気のある車種や、カスタム車を専門に扱う業者であれば、エンブレムの有無はそれほど重視されないこともあります。
対策方法
エンブレムを外した車を高く売るためには、いくつかの対策が有効です。
まず、保管しておいたエンブレムを元に戻すことが最も効果的です。エンブレムを再装着することで、「改造車」としてのマイナス評価を回避できます。自分で再装着するのが難しい場合は、ディーラーや専門業者に依頼することも検討しましょう。
エンブレムを紛失してしまった場合は、純正のエンブレムを購入して装着することも一つの選択肢です。純正品は高価な場合もありますが、査定額の大幅な減額を考えると、投資する価値があるかもしれません。
また、エンブレムを外した理由をしっかり説明し、カスタム以外の部分が良好な状態であることをアピールすることも大切です。「スタイリッシュな外観を追求するためのカスタム」として説明し、修復や事故の疑いを払拭することで、信頼性を高めることができます。
カスタム車に理解のある買取業者を選ぶことも効果的です。「カスタム車 買取」「改造車 査定」などのキーワードで検索すると、このような業者を見つけやすいでしょう。
エンブレムを外す代わりの方法
エンブレムを完全に外すことに抵抗がある方や、査定への影響を心配する方には、代替となる方法もあります。エンブレムを活かしながら個性を出す方法を紹介します。
カスタムエンブレムの活用
純正エンブレムを外す代わりに、カスタムエンブレムに交換するという選択肢もあります。カーショップやオンラインショップでは、様々なデザインのカスタムエンブレムが販売されています。
例えば、メッキ調のエンブレムをマットブラックやカーボン調に変更することで、車の印象を大きく変えることができます。このようなカスタムは比較的リーズナブルな価格で実現でき、元に戻すことも容易です。
カスタムエンブレムの種類 | 特徴 | 価格帯 |
---|---|---|
マットブラック | 高級感と精悍さを演出 | 3,000円〜10,000円 |
カーボン調 | スポーティな印象に | 5,000円〜15,000円 |
カラーバリエーション | 車のボディカラーに合わせた色合い | 4,000円〜12,000円 |
エンブレムカバー | 純正エンブレムの上から装着 | 2,000円〜8,000円 |
カスタムエンブレムは、純正エンブレムを保管しておけば元に戻せるため、査定時の心配も少なくなります。
ラッピングやステッカーでアレンジ
エンブレムを外さずに印象を変える方法として、ラッピングフィルムやステッカーの活用も人気です。専用のカーラッピングフィルムを使えば、エンブレムの色や質感を変えることができます。
例えば、メッキ調のエンブレムをマットブラックにラッピングすることで、より引き締まった印象になります。ラッピングは専門的な技術が必要に思えますが、小さなエンブレムであれば自分でも挑戦できます。
ラッピングの大きなメリットは、元の状態に戻せることです。フィルムを剥がせば純正の状態に戻るため、査定時の心配がありません。また、定期的に色や質感を変えることで、飽きずに愛車を楽しむことができます。
ラッピングに必要な道具と材料は以下の通りです。
必要なもの | 用途 | 価格帯 |
---|---|---|
カーラッピングフィルム | エンブレムを覆う素材 | 1,000円〜5,000円 |
カッター | フィルムを切るため | 300円〜1,000円 |
ヒートガン | フィルムを熱で密着させるため | 3,000円〜10,000円 |
スキージー | 気泡を押し出すため | 500円〜2,000円 |
イソプロピルアルコール | 表面の脱脂に使用 | 500円〜1,000円 |
ラッピングは一度試してみると意外と簡単で、自分好みのエンブレムに変えることができます。フィルムを貼る際は、エンブレムの形に合わせてカットし、ヒートガンで温めながら気泡が入らないように丁寧に貼り付けていきます。
初めての方は、まず小さなエンブレムから挑戦してみるのがおすすめです。失敗しても剥がして再チャレンジできるので、気軽に試すことができます。
まとめ:エンブレムを外すかどうかの判断ポイント
車のエンブレムを外すことは、見た目の印象を大きく変える効果的なカスタマイズ方法です。シンプルでスタイリッシュな外観を求める方にとっては魅力的な選択肢となります。
ただし、エンブレムを外す際は、車体を傷つけないよう適切な方法で行うことが重要です。また、将来の売却を考えると、外したエンブレムは大切に保管しておくことをおすすめします。
エンブレムを完全に外すことに抵抗がある方は、カスタムエンブレムやラッピングといった代替方法も検討してみてください。自分の愛車に最適な方法を選び、個性的なスタイルを楽しみましょう。