輸入車、特にBMWやアウディに憧れる方は多いでしょう。洗練されたデザインと走行性能の高さは、多くの人を魅了します。しかし、購入を考える際に気になるのがリセールバリューの問題です。「高級車なのに、なぜこんなに値落ちするの?」と疑問に思ったことはありませんか?
この記事では、BMWとアウディのリセールバリューの実態と、それでも輸入車を楽しむための心構えについてお伝えします。購入前に知っておくべき現実と、少しでもリセールバリューを良くするためのヒントもご紹介します。
BMWとアウディのリセールバリューの現実
輸入車、特にBMWやアウディのような高級ブランドは、新車購入時の喜びとは裏腹に、数年後には大きく価値が下がることがあります。その現実を知っておくことで、購入時の心構えも変わってくるでしょう。
リセールバリューとは何か
リセールバリューとは、一度購入した車を再び販売する際の価値のことです。「下取りが良い車」「売却時に高く売れる車」という表現を聞いたことがあるかもしれませんが、それがまさにリセールバリューを表しています。
車を購入する際、多くの人は性能やデザイン、価格に注目しますが、将来手放すときのことまで考える人は少ないものです。しかし、車は大きな買い物。数年後に売却や乗り換えを考えたとき、リセールバリューの差が家計に大きな影響を与えることもあります。
例えば、1000万円で購入した車が3年後に500万円で売れるのと、300万円でしか売れないのとでは、200万円もの差が生じます。この差額は、次の車を購入する際の頭金にもなりますから、リセールバリューは車選びの重要な要素の一つと言えるでしょう。
輸入車は国産車よりリセールバリューが低い理由
輸入車、特に高級ブランドのBMWやアウディは、国産車に比べてリセールバリューが低い傾向にあります。その理由はいくつかあります。
まず、日本人の多くは輸入車に「プレミアム感」や「高級感」を求めています。新車であれば最新の装備や技術を備え、国産車にはない特別な魅力があります。しかし、3〜5年経過した中古車となると、もはや最新ではなくなり、その魅力は大きく損なわれてしまうのです。
また、中古車市場では「価格」と「機能性」が重視され、新車購入時に重要だった「プレミアム感」はあまり購入動機にならないことも、輸入車のリセールバリューが低くなる要因です。
輸入車は新車価格が高いため、中古車でも国産車より割高に感じられます。性能や装備が古くなると、購入を検討する人は限られてきます。その車種に特別な思い入れがあるマニア以外には売りにくく、購入者の幅が狭まることから、リセールバリューは低くなってしまうのです。
特別なスポーツカーや限定モデルを除くと、多くの輸入車は3年程度で新車価格の35〜40%程度の価値になり、国産車の大衆モデルと同じかそれ以下になることもあります。
BMWとアウディの残価率の実態
BMWとアウディの残価率(新車価格に対する中古車価格の割合)は、モデルによって大きく異なります。一般的に、BMWは輸入車の中でも特にリセールバリューが低いとされています。
2019年の調査によると、BMWの残価率は平均で約58.65%と、メルセデス・ベンツの70.10%、アウディの62.49%と比較しても最も低い結果となっています。特に高級セダンの7シリーズは、5年経過後に新車価格の70%以上も価値が下がるという驚きの数字が報告されています。
一方、アウディは「丁度よい優越感」を持つブランドとして日本人に受け入れられており、BMWよりもリセールバリューが高い傾向にあります。特にコンパクトモデルのA1やSUVのQシリーズは、比較的リセールバリューが高いモデルとして知られています。
BMWのリセールバリューが低い具体的な理由
BMWは世界的に人気の高級車ブランドですが、なぜ日本市場ではリセールバリューが低いのでしょうか。その具体的な理由を見ていきましょう。
日本国内での流通量が多すぎる問題
BMWは日本の輸入車市場でトップクラスの販売台数を誇るブランドです。その人気の高さから、中古車市場にも多くのBMW車が流通しています。この「供給過多」の状況が、リセールバリューを下げる一因となっています。
中古車の買取価格は、基本的に需要と供給のバランスで決まります。いくら人気のブランドでも、市場に同じモデルが多数あれば、価格競争が起こり、買取価格は下がってしまいます。
特に3シリーズや5シリーズなどの人気モデルは、新車販売台数も多いため、数年後には中古車市場に大量に流れ込みます。その結果、供給が需要を上回り、リセールバリューが低下するという悪循環が生じているのです。
新車販売時の値引きが中古価格に与える影響
BMWなどの高級輸入車は、新車販売時に大きな値引きが行われることがあります。これは新車の販売台数を増やすための戦略ですが、同時に車の価値を最初から下げる結果にもなっています。
例えば、カタログ価格が1000万円の車が、実際には800万円で販売されていたとします。この車の中古価格は、カタログ価格ではなく、実際の販売価格をベースに形成されます。つまり、新車時点で既に200万円分の「価値下落」が起きているのです。
特に高価格帯の5シリーズや7シリーズなどは、新車時の値引き額も大きくなりがちです。これが、BMWのリセールバリューが他の競合車種と比べて低くなる一因となっています。
維持費の高さが中古市場での評価を下げる
BMWなどの輸入高級車は、維持費が高いことでも知られています。定期点検や部品交換の費用は国産車の数倍になることもあり、これが中古車としての魅力を下げる要因になっています。
例えば、BMWの一般的なオイル交換は国産車の2〜3倍の費用がかかることがあります。また、部品の多くが輸入品のため、交換時の費用も高額になりがちです。さらに、車検費用も国産車より高く、年間の維持費は数十万円単位で違ってくることもあります。
中古車購入を検討する人は、購入価格だけでなく、その後の維持費も重要な判断材料とします。高額な維持費が予想されるBMWは、同じ価格帯の国産高級車や他の輸入車と比較して、敬遠されがちなのです。
セダン需要の低迷と車種選びの重要性
近年、世界的にSUVの人気が高まる一方で、セダンの需要は低迷しています。BMWの主力モデルである3シリーズや5シリーズなどのセダンは、新車市場だけでなく中古市場でも苦戦を強いられています。
特に日本では、実用性や燃費を重視する傾向が強く、セダンよりもSUVやミニバンが好まれます。BMWのXシリーズ(SUV)は比較的リセールバリューが高いものの、セダンモデルは大きく価値を下げてしまうことが多いのです。
このように、BMWを購入する際は、単にブランドだけでなく、どの車種・モデルを選ぶかが非常に重要になります。リセールバリューを少しでも良くしたいなら、需要の高いSUVモデルや限定モデルを選ぶことも一つの戦略と言えるでしょう。
アウディのリセールバリュー事情
アウディも高級輸入車の一つですが、BMWとは少し異なるリセールバリューの傾向があります。アウディ特有の市場評価や、日本人に受け入れられる理由を見ていきましょう。
BMWと比較したアウディの市場評価
アウディは、BMWやメルセデス・ベンツと並ぶドイツの高級車ブランドですが、リセールバリューの面ではBMWよりも良好な評価を得ています。調査によると、アウディの残価率は平均で約62.49%と、BMWの58.65%を上回っています。
この差はなぜ生まれるのでしょうか。一つには、アウディが「安心感のあるブランド」として日本市場で認知されていることが挙げられます。輸入車と聞くと心配になる人でも、「アウディなら」と信頼感を持つ傾向があるのです。
また、アウディは車種ごとのデザインの一貫性が高く、10年前のモデルでも古さを感じにくいという特徴があります。これが中古市場での評価を支える要因となっています。
アウディが日本人に受け入れられる「丁度よい優越感」
アウディが日本市場で支持される理由の一つに、「丁度よい優越感」があります。メルセデス・ベンツやBMWは「高級すぎて気が引ける」「目立ちすぎる」と感じる日本人も多いですが、アウディはその中間に位置するブランドとして受け入れられています。
控えめな性格の日本人にとって、アウディは「国産車より少し高級で優越感を味わえるけれど、高級すぎず嫌味にならない」絶妙なポジションにあるのです。この「丁度よさ」が、新車だけでなく中古車市場でも評価され、比較的高いリセールバリューにつながっています。
特に、コンパクトなA1やSUVのQシリーズは、サイズ感も日本の道路事情に合っており、実用性と優越感を両立できるモデルとして人気があります。
ブランドイメージと価値の下落スピード
アウディは「技術志向」のブランドイメージを持ち、デザインの一貫性も高いことから、モデルチェンジによる価値の下落が比較的緩やかです。一方、BMWは「走りの楽しさ」を前面に出すブランドで、モデルチェンジの度にデザインが大きく変わることもあり、旧モデルの価値が急速に下がりやすい傾向があります。
また、アウディは全車種で共通するデザイン要素が多く、どのモデルもアウディらしさを保っています。これにより、10年前のモデルでも「古い」という印象を受けにくく、中古市場での評価が維持されやすいのです。
ただし、アウディも輸入車である以上、国産車と比べればリセールバリューは低い傾向にあります。特に高級モデルのA8や電気自動車のe-tronなどは、5年後のリセール価値が新車価格の40%以下になることもあります。
リセールバリューが高いBMW・アウディのモデル
すべてのBMWやアウディがリセールバリューが低いわけではありません。中には、比較的価値を維持するモデルもあります。ここでは、リセールバリューが高いモデルをご紹介します。
BMWリセールバリューランキングトップ5
BMWの中でも、特にリセールバリューが高いモデルをランキング形式でご紹介します。
1位はBMW Z8です。このスポーツカーは、1950年代のデザインを受け継ぎながら、軽量化とパワフルな走行性能を兼ね備えています。Z8の特徴的なのは、20年以上経過しても価値が下がらないどころか、むしろ上昇していることです。
経過年数 | 買取相場 | 残価率(最大) |
---|---|---|
20年後 | 1710万円 | 103% |
21年後 | 1511万円 | 91% |
22年後 | 1464万円 | 88% |
23年後 | 1680万円 | 102% |
2位はBMW X5です。SUVモデルであるX5は、実用性の高さから中古市場でも人気があります。特にディーゼルモデルは燃費の良さも評価され、リセールバリューが比較的高く維持されています。
3位はBMW M2です。Mシリーズの中でもコンパクトなM2は、走行性能の高さと取り回しの良さから、マニアにも人気があります。限定生産モデルも多く、希少性からリセールバリューが支えられています。
4位はBMW X3です。X5より小型のSUVであるX3も、実用性の高さから中古市場での需要が安定しています。特に後期モデルは装備も充実しており、比較的リセールバリューが高い傾向にあります。
5位はBMW 2シリーズです。コンパクトなサイズながら走行性能の高さが評価され、若い世代にも人気があります。特にクーペモデルは、スポーティなデザインが好まれ、リセールバリューも比較的良好です。
アウディで比較的リセールが良いモデル
アウディの中でも、特にリセールバリューが高いモデルをご紹介します。
まず挙げられるのがアウディTTです。このスポーツクーペは、独特のデザインと走行性能から、5年後も新車価格の約59.1%の価値を維持しています。特に限定モデルや上位グレードは、希少性からさらに高いリセールバリューを誇ることもあります。
次に、アウディTTSです。TTの高性能バージョンであるTTSも、5年後に約58.2%の価値を維持しており、スポーツカーとしての性能が評価されています。
アウディRS 5も、5年後に約57.5%の価値を維持する高リセールバリューモデルです。RSシリーズの走行性能の高さが、中古市場でも高く評価されています。
また、コンパクトモデルのA1も、アウディの中では比較的リセールバリューが高いモデルです。手頃な価格と都市部での取り回しの良さから、中古市場でも需要が安定しています。
人気のSUVモデルはリセールも強い
近年、世界的にSUVの人気が高まっており、BMWのXシリーズやアウディのQシリーズも例外ではありません。これらのSUVモデルは、セダンと比べてリセールバリューが高い傾向にあります。
BMWのX3やX5、アウディのQ3やQ5などは、実用性の高さから家族層にも人気があり、中古市場での需要も安定しています。特にアウディのQ3は、5年後も新車価格の60%以上の価値を維持することもあり、アウディの中でも特にリセールバリューが高いモデルとして知られています。
SUVモデルの特徴として、グレードによるリセールバリューの差が比較的少ないことも挙げられます。セダンモデルでは上位グレードほど価値の下落が大きい傾向がありますが、SUVではその差が小さく、上位グレードでも比較的リセールバリューが維持されやすいのです。
リセールバリューが壊滅的に悪いモデル
BMWやアウディの中には、特にリセールバリューが悪いモデルも存在します。購入を検討する際は、これらのモデルについても知っておくと良いでしょう。
ワースト1位「BMW7シリーズ」の悲惨な値落ち
BMW7シリーズは、BMWのフラッグシップモデルとして最高級の装備と技術を搭載していますが、リセールバリューの面では最悪の評価を受けています。新車価格が1,000万円を超える高級セダンですが、3年経過後には新車価格の50%以下、5年後には30%程度にまで価値が下がることもあります。
特に、最上級グレードの760iは新車価格が2,000万円を超えることもありますが、5年後には500万円台で取引されることもあり、1,500万円以上の価値が失われることになります。この「値崩れ」の激しさは、高級車の中でも特に顕著です。
中古車市場では「7シリーズを買うなら、新車価格の半額以下になるまで待て」という言葉があるほど、リセールバリューの低さは有名です。高級感と快適性を求めるなら、同じ予算でレクサスLSを選ぶ方が、リセールバリューの面では賢明かもしれません。
高級セダンが苦戦する理由
BMW7シリーズやアウディA8などの高級セダンがリセールバリューで苦戦する理由はいくつかあります。
まず、高級セダンは新車時の装備が豪華である分、年数が経過すると「古い高級装備」という評価になりがちです。最新の技術やデザインが次々と登場する自動車業界では、数年前の最先端技術も「過去のもの」として扱われてしまいます。
また、高級セダンは維持費も高額です。エンジンオイルや部品交換、車検費用などが一般的な車より高く、中古車購入者にとっては大きな負担となります。特に、複雑な電子機器や特殊な装備が多い高級モデルは、故障した際の修理費用も高額になりがちです。
さらに、日本の道路事情や駐車場の狭さを考えると、大型セダンは実用性に欠けるという面もあります。このような理由から、高級セダンは中古市場での需要が限られ、リセールバリューが低くなる傾向にあるのです。
実際のオーナーが体験した驚きの下取り価格
実際にBMWやアウディのオーナーが体験した下取り価格の実例を見てみましょう。
あるBMW3シリーズグランツーリスモのオーナーは、2014年に新車で550万円で購入した車を、わずか2年半後に下取りに出した際、提示された価格はたったの200万円でした。リセールバリュー率はわずか36.3%で、2年半で350万円もの価値が失われたことになります。
また、別のオーナーはアウディA7を2013年に新車で950万円で購入し、2年後に売却した際の価格は400万円でした。わずか2年で550万円、約58%もの価値が下落したことになります。
このような急激な価値下落は、BMWやアウディに限らず、多くの輸入高級車に共通する現象です。新車購入時には「素晴らしい車」と感じても、売却時には「こんなに価値が下がるのか」と驚くオーナーは少なくありません。
購入から年数経過でどれだけ価値が下がるのか
BMWやアウディを購入した場合、時間の経過とともにどれだけ価値が下がるのか、具体的な数字で見ていきましょう。
購入3年後の残価率
一般的に、BMWやアウディの3年後の残価率(新車価格に対する中古車価格の割合)は、モデルによって大きく異なりますが、平均して50〜60%程度と言われています。
メーカー・モデル | 新車価格 | 3年後の価格 | 残価率 |
---|---|---|---|
BMW 3シリーズ | 600万円 | 330万円 | 55% |
BMW 5シリーズ | 800万円 | 400万円 | 50% |
BMW 7シリーズ | 1,200万円 | 540万円 | 45% |
アウディ A3 | 450万円 | 270万円 | 60% |
アウディ A6 | 800万円 | 440万円 | 55% |
アウディ Q5 | 700万円 | 420万円 | 60% |
特に人気のあるSUVモデルや小型モデルは、比較的残価率が高い傾向にあります。一方、高級セダンは残価率が低く、3年で新車価格の半分以下になることも珍しくありません。
購入5年後の残価率
5年経過すると、残価率はさらに下がります。一般的に、5年後の残価率は30〜40%程度と言われています。
メーカー・モデル | 新車価格 | 5年後の価格 | 残価率 |
---|---|---|---|
BMW 3シリーズ | 600万円 | 210万円 | 35% |
BMW 5シリーズ | 800万円 | 240万円 | 30% |
BMW 7シリーズ | 1,200万円 | 300万円 | 25% |
アウディ A3 | 450万円 | 180万円 | 40% |
アウディ A6 | 800万円 | 280万円 | 35% |
アウディ Q5 | 700万円 | 280万円 | 40% |
5年経過すると、多くのモデルで新車価格の3分の1程度の価値になってしまいます。特に高級モデルほど下落率が大きく、7シリーズやA8などの高級セダンは、5年で新車価格の4分の1程度にまで価値が下がることもあります。
購入10年後の残価率
10年経過すると、多くのBMWやアウディは新車価格の10〜20%程度の価値になります。ただし、この時点では車の状態や走行距離による個体差が大きくなります。
メーカー・モデル | 新車価格 | 10年後の価格 | 残価率 |
---|---|---|---|
BMW 3シリーズ | 600万円 | 90万円 | 15% |
BMW 5シリーズ | 800万円 | 96万円 | 12% |
BMW 7シリーズ | 1,200万円 | 120万円 | 10% |
アウディ A3 | 450万円 | 68万円 | 15% |
アウディ A6 | 800万円 | 96万円 | 12% |
アウディ Q5 | 700万円 | 105万円 | 15% |
10年経過した輸入車は、維持費の高さや部品供給の問題から、さらに価値が下がりやすくなります。ただし、一部の希少モデルや人気の高いスポーツカーは、この時点から価値が下げ止まり、場合によっては上昇に転じることもあります。
リセールバリューを少しでも良くする方法
BMWやアウディを購入する際、完全にリセールバリューを気にしないというのは難しいでしょう。ここでは、少しでもリセールバリューを良くするための方法をご紹介します。
人気色と人気グレードの選択
リセールバリューを考えるなら、車の色とグレードの選択は非常に重要です。一般的に、無難な色(ブラック、シルバー、ホワイト)は中古市場でも人気があり、リセールバリューが高くなる傾向にあります。一方、個性的な色(派手な赤や青、特殊なパールカラーなど)は好みが分かれるため、中古市場では敬遠されがちです。
グレードについては、ベースグレードよりも人気装備が付いた中間グレードが最もリセールバリューが高い傾向にあります。最上級グレードは新車価格が高い分、価値の下落も大きくなりがちです。
例えば、BMW 3シリーズであれば、320iの標準グレードよりも、ナビゲーションパッケージやスポーツパッケージが付いた中間グレードの方が、リセールバリューが高くなる可能性が高いです。
定期的なメンテナンスの重要性
リセールバリューを維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。特に輸入車は、メンテナンス履歴が価格に大きく影響します。
ディーラーでの定期点検を欠かさず行い、その記録(整備手帳など)をきちんと保管しておくことが重要です。また、小さな傷や不具合も放置せず、早めに修理しておくことで、将来の大きなトラブルや価値の下落を防ぐことができます。
特にBMWやアウディなどの高級車は、メンテナンス履歴が不明確だと、「隠れた問題があるのでは」という懸念から、買取価格が大幅に下がることがあります。
売却タイミングの見極め方
リセールバリューを考えるなら、売却のタイミングも重要です。一般的に、輸入車は3年程度で価値が大きく下がり始め、5年を過ぎると下落率はやや緩やかになります。
もし短期間で乗り換える予定があるなら、3年以内の売却がおすすめです。この時点ではまだ価値の下落が比較的緩やかで、また多くのモデルでメーカー保証も残っているため、買い手も安心して購入できます。
一方、長く乗るつもりなら、7年以上乗り続けるのも一つの選択肢です。この時点では価値の下落率が緩やかになり、年間あたりの価値下落額は小さくなります。
複数の買取業者に査定を依頼する理由
車を売却する際は、ディーラーの下取りだけでなく、複数の買取業者に査定を依頼することが重要です。特に輸入車専門の買取業者は、一般的な買取店よりも高い価格を提示することがあります。
同じ車でも、買取業者によって10〜20万円、時には数十万円の価格差が生じることも珍しくありません。これは、各買取業者が持つ販売ルートや在庫状況、そして査定担当者の経験や知識によって評価が異なるためです。
また、オークションやインターネットを通じた個人売買も、中間マージンを省けるため、より高い価格で売却できる可能性があります。ただし、この場合は手続きの手間や、トラブル時の対応などのリスクも考慮する必要があります。
輸入車を買うなら割り切りが必要な理由
BMWやアウディなどの輸入高級車を購入する際は、リセールバリューについてある程度の「割り切り」が必要です。ここでは、その理由と心構えについて考えてみましょう。
「所有する喜び」と「経済的損失」の天秤
輸入高級車を購入する際は、「所有する喜び」と「経済的損失」のバランスを考える必要があります。確かに、リセールバリューの面では国産車に劣りますが、その走行性能や高級感、ステータス性は、多くのオーナーにとって大きな喜びをもたらします。
例えば、BMWの「駆け抜ける喜び」というスローガンが表すように、その走行性能は多くのドライバーを魅了します。また、アウディの洗練されたデザインや先進技術も、所有する喜びを高めてくれるでしょう。
これらの「喜び」が、リセールバリューの低さによる「経済的損失」を上回ると感じるなら、輸入車の購入は十分に価値のある選択と言えます。
リセールよりも乗る楽しさを重視する考え方
輸入車、特にBMWやアウディを購入する多くのオーナーは、リセールバリューよりも「乗る楽しさ」を重視しています。これらの車は、走行性能や快適性、デザイン性において優れており、日々のドライブを特別な体験に変えてくれます。
「車は資産ではなく消費財」という考え方をすれば、リセールバリューの低さも受け入れやすくなるでしょう。洋服や家電製品と同じように、「使用することで価値が下がるもの」と割り切れば、リセールバリューにこだわる必要もなくなります。
また、「この車に乗れる喜びのために、年間いくらの価値下落を受け入れられるか」という視点で考えることも一つの方法です。例えば、3年で300万円の価値が下がるなら、年間100万円の「楽しさの対価」と考えることもできます。
長く乗り続けるほど損失は少なくなる
輸入車のリセールバリューが低いことを気にするなら、長く乗り続けることも一つの選択肢です。一般的に、車の価値下落は購入後3〜5年が最も大きく、その後は緩やかになります。
例えば、5年で新車価格の60%が下がるとしても、10年乗れば年間の価値下落率は6%程度。15年乗れば年間4%程度になります。長く乗れば乗るほど、年間あたりの「コスト」は下がるのです。
また、長く乗り続けることで、車への愛着も深まります。「自分だけの車」として大切に乗り続けることで、リセールバリューという数字では測れない価値が生まれることもあるでしょう。
まとめ
BMWやアウディなどの輸入高級車は、その走行性能や高級感から多くの人を魅了しますが、リセールバリューの面では課題があります。特に高級セダンモデルは、購入後数年で大きく価値が下がることも珍しくありません。
しかし、SUVモデルや人気のコンパクトモデル、限定モデルなどは、比較的リセールバリューが高い傾向にあります。また、色やグレードの選択、定期的なメンテナンス、適切な売却タイミングの見極めなどによって、リセールバリューを少しでも良くすることも可能です。
輸入車を購入する際は、「乗る喜び」と「経済的損失」のバランスを考え、ある程度の「割り切り」を持つことが大切です。リセールバリューだけでなく、所有することの喜びや満足感も、車選びの重要な要素と言えるでしょう。