エンジン警告灯が点滅してスピードが出ない原因は？対処法を徹底解説

2025 3/28

2025年3月27日 2025年3月28日

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車を運転していると、突然メーターパネルにオレンジ色のエンジン警告灯が点灯することがあります。さらに困ったことに、アクセルを踏んでもスピードが上がらない、加速しないといった症状が現れることも。このような状況に遭遇すると、とても不安になりますよね。

本記事では、エンジン警告灯が点滅してスピードが出ない原因と適切な対処法について詳しく解説します。警告灯が点灯したときの正しい対応方法や、修理費用の目安についても触れていますので、トラブル時の参考にしてください。

エンジン警告灯が点滅する仕組みとは

車のダッシュボードに表示されるエンジン警告灯。この小さなランプが点灯するだけで、多くのドライバーが不安を感じます。まずは、このエンジン警告灯の基本的な仕組みについて理解しておきましょう。

エンジン警告灯とは何か

エンジン警告灯は、車のエンジン制御システムに何らかの異常が発生したことを知らせるためのものです。「エンジンチェックランプ」や「MILライト」とも呼ばれています。

この警告灯は、車に搭載されているECU（Electronic Control Unit）というコンピューターが、エンジンの状態を常に監視し、異常を検知した際に点灯します。ECUは、エンジン内部への燃料噴射を制御したり、空燃比や点火タイミング、排気ガス状態を最適に保つなど、エンジンを理想的な状態に自動調整する重要な役割を担っています。

エンジン警告灯が点灯すると、「エンジン関係で調子が悪いところがある」ということを教えてくれますが、具体的にどこが悪いのかまでは教えてくれません。そのため、詳細な診断には専門の機器が必要となります。

警告灯が点灯・点滅するメカニズム

エンジン警告灯が点灯するメカニズムは、車に搭載された自己診断システムによるものです。現代の車には、エンジンの状態を監視する様々なセンサーが取り付けられています。

これらのセンサーは、エンジンの温度、排気ガスの成分、燃料の状態など、様々なデータを常に収集しています。ECUは、これらのセンサーからの情報を分析し、正常な範囲から外れた値を検出すると、エンジン警告灯を点灯させるのです。

警告灯の点灯パターンには、「点灯」と「点滅」の2種類があります。通常の「点灯」は、エンジンシステムに何らかの異常があることを示していますが、緊急性はそれほど高くありません。一方、「点滅」している場合は、エンジンに深刻な問題が発生している可能性が高く、早急な対応が必要です。

特に、エンジン警告灯が点滅している場合は、ミスファイヤー（失火）が発生している可能性があり、放置するとエンジン内部に損傷を与える危険があります。このような状況では、すぐに安全な場所に車を停め、エンジンを切ることが推奨されます。

警告灯の色による緊急度の違い

車のダッシュボードには、様々な色の警告灯が表示されることがあります。これらの色には、それぞれ意味があり、緊急度を示しています。

エンジン警告灯は通常、黄色（またはオレンジ色）で表示されます。黄色の警告灯は、「すぐに故障する可能性は少ないが、早めに点検しなくてはならないこと」を意味しています。つまり、緊急性はそれほど高くないものの、放置せずに早めに対処する必要があるということです。

一方、赤色の警告灯は、「直ちに安全な場所に停車する必要があること」を意味しており、非常に緊急性が高いことを示しています。例えば、エンジンオイル警告灯やブレーキ警告灯などが赤色で表示されることが多いです。

このように、警告灯の色によって緊急度が異なりますので、それぞれの意味を理解しておくことが大切です。エンジン警告灯が黄色で点灯している場合は、すぐに車を止める必要はありませんが、できるだけ早く整備工場などで点検を受けることをおすすめします。

エンジン警告灯が点滅してスピードが出ない主な原因

エンジン警告灯が点滅し、同時にスピードが出ないという症状が現れた場合、いくつかの原因が考えられます。ここでは、その主な原因について詳しく見ていきましょう。

燃料系統の問題

燃料系統の問題は、エンジン警告灯が点滅し、スピードが出ない症状の主な原因の一つです。

燃料ポンプの故障や燃料フィルターの詰まりがあると、エンジンに適切な量の燃料が供給されなくなります。その結果、エンジンの出力が低下し、アクセルを踏んでもスピードが上がらなくなることがあります。

また、インジェクターの詰まりや故障も同様の症状を引き起こします。インジェクターは、燃料を霧状にしてエンジン内に噴射する重要な部品です。これが正常に機能しないと、燃料の噴射量が不適切になり、エンジンの性能が低下します。

さらに、燃料タンク内の水分や不純物も問題を引き起こす可能性があります。これらが燃料系統に入り込むと、燃料の流れを妨げたり、燃焼効率を低下させたりすることがあります。

燃料系統の問題を防ぐためには、定期的な燃料フィルターの交換や、品質の良い燃料を使用することが重要です。また、長期間車を使用しない場合は、燃料タンクをできるだけ満タンにしておくと、タンク内の結露を防ぐことができます。

点火系統の不具合

点火系統の不具合も、エンジン警告灯が点滅してスピードが出ない原因となります。

スパークプラグの劣化や汚れは、エンジンの点火不良を引き起こします。スパークプラグは、燃料と空気の混合気に火花を飛ばして燃焼させる役割を担っています。これが正常に機能しないと、エンジンの出力が低下し、加速が悪くなります。

イグニッションコイルの故障も同様の症状を引き起こします。イグニッションコイルは、バッテリーの低電圧を高電圧に変換し、スパークプラグに送る役割を持っています。これが故障すると、スパークプラグが正常に火花を発生させることができなくなります。

また、点火タイミングの不良も問題となります。点火タイミングがずれると、燃料の燃焼効率が低下し、エンジンの出力が落ちることがあります。

点火系統の問題を防ぐためには、定期的なスパークプラグの交換や、イグニッションコイルの点検が重要です。特に、スパークプラグは消耗品であり、メーカーが推奨する交換時期に従って交換することが望ましいです。

エアフローセンサーの故障

エアフローセンサーは、エンジンに吸入される空気の量を測定するセンサーです。このセンサーが故障すると、ECUが適切な空燃比を計算できなくなり、エンジンの性能が低下します。

エアフローセンサーの故障の主な症状としては、アイドリング不安定、加速不良、燃費の悪化などがあります。また、エンジン警告灯が点灯することも多いです。

エアフローセンサーの故障の原因としては、センサー部分の汚れや経年劣化が挙げられます。特に、エアフィルターが汚れていると、不純物がエアフローセンサーに付着しやすくなります。

エアフローセンサーの問題を防ぐためには、定期的なエアフィルターの交換や、エアフローセンサー自体の清掃が効果的です。ただし、エアフローセンサーの清掃は専門知識が必要なため、自己判断で行うのではなく、整備工場に相談することをおすすめします。

触媒コンバーターの詰まり

触媒コンバーターは、排気ガス中の有害物質を無害化する装置です。この装置が詰まると、排気の流れが阻害され、エンジンの出力が低下します。

触媒コンバーターの詰まりの主な症状としては、加速不良、燃費の悪化、エンジンのオーバーヒートなどがあります。また、排気管から異音が聞こえることもあります。

触媒コンバーターの詰まりの原因としては、エンジンオイルや冷却水の漏れ、燃料の品質不良、エンジンの不完全燃焼などが挙げられます。これらの問題が長期間続くと、触媒コンバーター内部に炭素や異物が堆積し、詰まりを引き起こします。

触媒コンバーターの問題を防ぐためには、定期的なエンジンメンテナンスや、品質の良い燃料の使用が重要です。また、エンジン警告灯が点灯した場合は、早めに点検を受けることで、触媒コンバーターへの負担を軽減することができます。

エンジン管理システムの問題

現代の車は、複雑なエンジン管理システムによって制御されています。このシステムに問題が発生すると、エンジンの性能が低下し、警告灯が点灯することがあります。

エンジン管理システムの問題としては、ECUの故障、センサーの異常、配線の断線や短絡などが挙げられます。これらの問題が発生すると、ECUが正確なデータを受け取れなくなり、エンジンの制御が不適切になります。

エンジン管理システムの問題の症状としては、エンジンの不安定な動作、加速不良、燃費の悪化などがあります。また、エンジン警告灯が点灯することも多いです。

エンジン管理システムの問題を診断するには、専用の診断機器が必要です。そのため、このような問題が疑われる場合は、整備工場やディーラーで点検を受けることが重要です。

また、エンジン管理システムの問題を防ぐためには、定期的な点検や、電装系統への過度な負荷を避けることが効果的です。特に、カーオーディオやナビゲーションシステムなどの後付け装置を取り付ける際は、専門知識を持った業者に依頼することをおすすめします。

症状別の原因と対処法

エンジン警告灯の点灯と同時に現れる症状によって、問題の原因や対処法が異なります。ここでは、代表的な症状別に、その原因と対処法について詳しく見ていきましょう。

警告灯が点灯してアクセルを踏んでも加速しない場合

エンジン警告灯が点灯し、アクセルを踏んでも加速しない場合、まず考えられるのは燃料系統や点火系統の問題です。

燃料ポンプの故障や燃料フィルターの詰まりがあると、エンジンに十分な燃料が供給されず、加速が悪くなります。また、インジェクターの詰まりや故障も同様の症状を引き起こします。

点火系統では、スパークプラグの劣化や汚れ、イグニッションコイルの故障が加速不良の原因となることがあります。これらの部品が正常に機能しないと、燃料が適切に燃焼せず、エンジンの出力が低下します。

このような症状が現れた場合の対処法としては、まず安全な場所に車を停め、エンジンを一度停止させてから再始動してみることが挙げられます。これにより、一時的な電子系統の不具合が解消されることがあります。

ただし、再始動後も症状が改善しない場合は、自己判断での走行を続けるのではなく、整備工場やディーラーに連絡して指示を仰ぐことが重要です。無理に走行を続けると、エンジンに更なる損傷を与える可能性があります。

警告灯が点滅して急にスピードが落ちた場合

エンジン警告灯が点滅し、急にスピードが落ちた場合は、エンジンに深刻な問題が発生している可能性が高いです。

特に、エンジン警告灯の点滅は、ミスファイヤー（失火）が発生していることを示していることが多いです。ミスファイヤーとは、シリンダー内での燃焼が正常に行われない状態を指します。これが発生すると、エンジンの出力が大幅に低下し、スピードが急に落ちることがあります。

ミスファイヤーの原因としては、スパークプラグの故障、イグニッションコイルの不良、燃料インジェクターの詰まりなどが考えられます。また、エンジン内部の機械的な問題（バルブの不良、ピストンリングの摩耗など）も、ミスファイヤーを引き起こす可能性があります。

このような症状が現れた場合の対処法としては、直ちに安全な場所に車を停め、エンジンを切ることが最も重要です。ミスファイヤーが発生している状態で走行を続けると、未燃焼の燃料が排気系に流れ込み、触媒コンバーターに深刻なダメージを与える可能性があります。

その後、レッカー車を手配して整備工場に車を運ぶか、整備工場に連絡して指示を仰ぐことをおすすめします。このような状況では、自己判断での走行は避けるべきです。

警告灯と一緒にエンジンがガタガタ振動する場合

エンジン警告灯が点灯し、同時にエンジンがガタガタと振動する場合、エンジンの燃焼が不安定になっている可能性が高いです。

この症状の主な原因としては、点火系統の不良（スパークプラグの劣化、イグニッションコイルの故障など）、燃料系統の問題（インジェクターの詰まり、燃料ポンプの不良など）、エンジンマウントの劣化などが考えられます。

特に、エンジンマウントは、エンジンを車体に固定し、エンジンの振動を吸収する役割を持っています。これが劣化すると、エンジンの振動が車体に直接伝わり、ガタガタとした振動を感じることがあります。

このような症状が現れた場合の対処法としては、まず安全な場所に車を停め、エンジンの状態を確認することが重要です。エンジンルームを開けて、異音や異臭、液体の漏れなどがないか確認しましょう。

ただし、専門知識がない場合は、自己判断での修理は避け、整備工場やディーラーに連絡して指示を仰ぐことをおすすめします。特に、エンジンの振動が激しい場合は、内部に深刻な問題が発生している可能性があるため、専門家の診断が必要です。

車種別によくある症状と対処法

車の種類によって、エンジン警告灯が点滅してスピードが出ない症状の原因や対処法には特徴があります。ここでは、国産車、輸入車、大型車両に分けて解説します。

国産車でよく見られる症状と対応策

国産車では、エンジン警告灯が点灯してスピードが出ない場合、比較的シンプルな原因が多いです。トヨタ、ホンダ、日産などの国産車では、燃料系統の問題や点火系統の不具合が多く見られます。

特に多いのが、O2センサーやエアフローセンサーの故障です。これらのセンサーは、エンジンの燃焼状態を監視する重要な役割を担っていますが、経年劣化によって不具合が生じやすい部品です。

国産車の場合、部品の調達がしやすく、修理費用も比較的抑えられることが多いです。また、診断機器も広く普及しているため、一般の整備工場でも適切な診断と修理が可能です。

エンジン警告灯が点灯した際は、まず取扱説明書を確認し、その後、ディーラーや信頼できる整備工場に相談することをおすすめします。

輸入車特有の警告灯トラブル

輸入車、特にヨーロッパ車では、エンジン警告灯の点灯と同時にリムーブモード（緊急走行モード）に入ることがあります。これは、エンジンや変速機を保護するために、出力を制限するモードです。

BMWやメルセデス・ベンツなどの高級輸入車では、電子制御システムが複雑なため、センサー類の不具合だけでなく、電子系統のトラブルも多く見られます。また、排気ガス浄化システムの問題も輸入車特有のトラブルとして挙げられます。

輸入車の場合、専用の診断機器が必要なことが多く、修理もディーラーや専門の整備工場に依頼することが望ましいです。また、部品の調達に時間がかかることや、修理費用が高額になることも念頭に置いておく必要があります。

トラックなど大型車両の場合の注意点

トラックやバスなどの大型車両では、エンジン警告灯が点灯した場合の対応は特に慎重に行う必要があります。大型車両は重量が大きいため、エンジントラブルが発生した場合、安全に停車させることが最優先です。

大型ディーゼル車では、排気ガス浄化装置（DPF）の詰まりや尿素SCRシステムの不具合が原因でエンジン警告灯が点灯することがあります。これらの装置は環境規制に対応するために搭載されているもので、適切なメンテナンスが必要です。

大型車両の場合、エンジン警告灯が点灯したら、できるだけ早く安全な場所に停車し、運行管理者や専門の整備工場に連絡することが重要です。無理に走行を続けると、エンジンの損傷だけでなく、大きな事故につながる可能性もあります。

自分でできる応急処置と点検方法

エンジン警告灯が点灯した場合、すぐに整備工場に行けないこともあります。そんなときに自分でできる応急処置と点検方法について解説します。

エンジン再始動で改善するケース

エンジン警告灯が点灯した場合、まず試してみたいのがエンジンの再始動です。これは、一時的な電子系統のエラーが原因で警告灯が点灯している場合に効果があります。

安全な場所に車を停め、エンジンを完全に停止させます。イグニッションをオフにして、キーを抜くか（プッシュスタート式の場合はオフにする）、数分間待ちます。その後、再びエンジンを始動させます。

この方法で警告灯が消える場合は、一時的なエラーだった可能性が高いです。ただし、再始動後に警告灯が消えても、根本的な問題が解決したわけではない場合もあります。できるだけ早く整備工場で点検を受けることをおすすめします。

安全に車を停止させる方法

エンジン警告灯が点灯し、同時にエンジンの出力が低下した場合、安全に車を停止させることが最優先です。

まず、ハザードランプを点灯させ、周囲の車に異常を知らせます。急ブレーキは避け、徐々に減速しながら、道路の端や安全な場所に車を寄せます。交通量の多い道路では、できるだけ他の車の邪魔にならない場所を選びましょう。

車を停止させたら、エンジンを切り、必要に応じて三角停止表示板を設置します。これは、後続車に注意を促し、二次事故を防ぐための重要な措置です。

専門家に伝えるべき症状のメモの取り方

エンジン警告灯が点灯した際、どのような状況でどのような症状が現れたかを記録しておくと、整備工場での診断に役立ちます。

メモすべき主な項目は以下の通りです：

警告灯が点灯した時の走行状況（市街地走行中、高速道路走行中など）
警告灯の点灯パターン（常時点灯、点滅など）
同時に現れた症状（エンジンの振動、加速不良、異音など）
警告灯が点灯する前に気づいた異変（燃費の悪化、エンジン音の変化など）

これらの情報を整備士に伝えることで、より正確な診断が可能になり、修理時間や費用の削減にもつながります。

修理費用の目安

エンジン警告灯が点灯した場合の修理費用は、原因や車種によって大きく異なります。ここでは、一般的な修理費用の目安について解説します。

部品別の交換費用

エンジン警告灯が点灯する原因となる主な部品の交換費用は、以下の表のようになります。

部品名	国産車の交換費用（目安）	輸入車の交換費用（目安）
O2センサー	2万円～4万円	4万円～8万円
エアフローセンサー	3万円～6万円	6万円～12万円
イグニッションコイル	1万円～3万円	3万円～7万円
スパークプラグ（4気筒分）	1万円～2万円	2万円～5万円
燃料ポンプ	3万円～7万円	7万円～15万円
触媒コンバーター	10万円～20万円	20万円～50万円

これらの費用は、部品代と工賃を含めた一般的な目安です。車種や年式、整備工場によって異なる場合がありますので、実際の修理前に見積もりを取ることをおすすめします。

整備工場とディーラーの費用差

同じ修理内容でも、整備工場とディーラーでは費用に差が出ることがあります。一般的に、ディーラーの方が整備工場よりも高額になる傾向があります。

修理場所	特徴	費用の目安
ディーラー	純正部品を使用、メーカー保証あり	一般整備工場より20%～30%高い
一般整備工場	社外品の使用も可能、技術力に差あり	ディーラーより安価
専門整備工場	特定メーカーや輸入車に特化	一般整備工場とディーラーの中間

ディーラーは純正部品を使用し、メーカーの保証が受けられるというメリットがありますが、その分費用は高くなります。一方、一般の整備工場では社外品を使用することで費用を抑えられることがありますが、部品の品質や技術力には差があることを念頭に置く必要があります。